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健康住宅づくり 7つの法則 Rule4

  【自然と対話する縁側のある家】「自然とふれあえる場をつくれ」



健康住宅づくり 7つの法則 Rule4
人と人、人と自然をつなぐ縁側空間

  建材や部材が工業化されて、プレハブ住宅が生まれる前の家には、たいてい縁側がありました。庭に面した和室の外側につくられた板敷きのスペースです。雨戸やガラス戸で仕切られ、廊下の役割を兼ねた縁側と、外部に張り出した濡れ縁。廊下の幅が3尺(約910ミリ)を越えるものは広縁(広い縁側)と呼ばれました。広縁になると、小さいながらもテーブルや椅子を置く事が出来ます。
  外まわりの建具の内側に守られて、室内空間となっている縁側が多いのですが、もともとは吹きさらしの濡れ縁が多かったものです。庶民の家に縁側がつけられるようになったのは、江戸末期頃のようです。
  さて、最近の住宅では、縁側をつくる家はめっきり少なくなりました。洋風住宅をつくる人が増えたことや、敷地の都合や建築費などの諸事情から、無駄な空間と考えられるようになったのでしょうか。
  しかし縁側は、家づくりでとても大切な役割をしてくれます。まず、縁側をつくることで、夏の暑い日差しが直接和室に入るのを防いでくれます。逆に冬にはサンルームのように暖かく快適な空間ができるのです。
  日本の家は、外に対して開口部を大きくとり、縁側という緩衝地帯をもうけることで、直射日光や寒さ、風雨を和らげ、室内を守ることができます。この緩衝地帯の効果は、縁側と部屋との境にある障子を開けたり閉じたりすることで、さらに高まります。
  もともと縁側とは、その昔武士が登城した折の詰め所であり、御目見人の披露に使われた場所でした。つまり縁側とは人と人のご縁ができる場所、ご縁をつくる場所であったのです。民家では、縁側はご近所どうしのご縁をつくる場所、ご縁を深める場所でもあるのです。
  古来、夏を旨とする、風通しの良さを考えた家づくりをしてきた日本家屋では、縁側のような開放的な部分を部屋の外周部に造り、屋内の気温調整を行なってきたのです。
  庭と屋内をつなぐこの縁側は、部屋から部屋に移動するための廊下としても利用されていましたし、部屋と部屋、内と外、庭と部屋、人と人、人と自然をつなぐものとして、みんなに愛されてきました。

庇・軒・縁の下

  また縁側の下には、縁の下があり、上には庇がありました。庇は、古代から中世にかけての日本建築でつかわれた空間名称で、建物の中心部を母屋として、その周囲をとりまく空間を庇と呼んでいました。庇は母屋より一段低い空間として認識され、儀式の際には身分の高い者だけが母屋にすわるなど用途も区別されたものです。
  庇があると夏の日差しが遮られるので、暖冷房負荷の数値は、かなり違ってきます。夏の直射日光の熱やまぶしさを防ぎ、冬は日差しをとり入れてくれて快適です。
  最近は洋風住宅が多くなったため、縁側同様、庇のない住宅が多くなりましたが、雨・日差しを防ぐ庇は住まいを長持ちさせるためにも、とても有効です。

庭のリビングを楽しむ

  ところで最近の戸建て住宅には、ウッドデッキやパーゴラのついたテラスなどをよく見かけるようになりました。デッキやテラスに合わせてオーニング(可動式テント)をつけている家も見かけます。これこそ現代の縁側と庇なのでしょう。
  数年来のアウトドアブームやガーデニングブームで、開放的な庭でバーベキューを楽しんだり、庭づくりや菜園づくりを通して、自然とのふれあいから癒しを得ている人が増えています。庭を快適なリビングにすることで、家の中をより広く使ったり、自然の恵みをとり入れて健康な住まいを造ったりすることができるのです。これからの住まいづくりでは、街並み、外構、庭と住まいのトータルコーディネートで、敷地全体を上手に活用することが、とくな家づくりに直結するといえます。