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健康住宅づくり 7つの法則 Rule6

健康住宅づくり 7つの法則 Rule6
  【風を感じて暮らす家】「風の通り道をつくれ」



暑さに強い家

  最近は高気密・高断熱住宅や24時間連続の全館空調や冷暖房を筆頭に、除菌・抗菌のできるエアコンや空気清浄機が次々に登場しています。しかしこんな時代こそ、人工的な空調に頼りすぎず、自然の風を上手に取り入れたいものです。早朝や雨上がりの庭は、マイナスイオンがいっぱい発生します。
  昔の住宅は長い庇を持ち、夏の日差しを効率よく遮っていました。昔の隙間だらけの建物と違って、現代は気密性の高い住宅が多くなっています。気密性の高い建物は、建物内の温度差をなくし、ヒートショックの予防やエネルギーの節約につながる良さがあります。
  寒さが血圧変動などの引き金となって、亡くなるお年寄りが多いのですが、夏の暑さも人間の体に大きな負担を与えます。夏の気温の上昇でお年寄りの死亡率が高まるという調査結果も出ています。地球温暖化で、気温が年々上昇していることを考えると、これからは夏の暑さにもっと気を使うべきなのかもしれません。

上手な換気と通風のコツ

  湿気を防ぎ、ダニ・カビの発生を防ぐには居室の通風だけでなく、納戸や押し入れ、屋根裏や床下などの通風も同様に大事です。
  換気とは、汚れた空気を排出し、新鮮な空気を取り入れることです。その際、湿気も一緒に排出されますので、建物の健康維持に役立ちます。建物の内部にこもった熱も排出してくれます。

●ふたつの窓を対面させる
  通風と換気の基本は入口だけでなく、対向する風の出口をつくることです。入口だけでは、いくら大きな窓でも通風の助けにはなりません。排気をする出口になる窓は対面する位置にあるのがベスト。
●風の流れを上下に
  開口部を設ける時、一方を高く、もう片方を低くすると、風が通りやすくなります。上下の位置関係で、3方に開口部を取ると、温度の高い空気は上のほうから抜け、床の上を抜ける風は、床や畳の湿気を取り去ってくれます。開閉式のトップライト(天窓)は、採光だけでなく、通風口としても働きます。
●地窓の利用
  一階の北側の地面に近い位置に、高さが低く幅が広い地窓を設けると、夏に涼しい空気を取り入れられます。(冬の対策も忘れないでね)
●片側にふたつの窓を設けるのなら高低差をつける
  条件によっては、片方にしか窓を取れないこともあります。その時は、床に近い低い位置と天井付近に開口部をつくると、風の流れを起こせます。
●建具を工夫する
  浴室、納戸など、通風に気をつけたい場所には、ガラリ付きの建具などを用いて、風通しをよくしましょう。また勝手口のドアも、換気しやすいタイプがあります。丈夫な格子付きなら、鍵をかけたままでも換気ができ、窓以外の通風口がひとつ余分に確保できます。
●通風とプライバシー
  敷地条件によっては十分な通風が得られないことがあります。隣家と近接しているために、窓の位置が自由にならないこともよくあります。道路に面した窓は、防犯やプライバシーの問題から、開けられない場合もあるでしょう。それでも、トップライトや高窓、ルーバーなどを利用して、できる限り自然の風を取り入れるようにしたいものです。
●落葉樹を植える
  窓の外に落葉樹を植えると、夏は茂った葉が日差しを和らげ、冬は落葉して室内に日差しを通してくれます。
●涼感の演出
  簾や葦簾、打ち水や風鈴といった、昔ながらの粋な工夫もあります。新しいものでは、遮熱フィルムや庭のタープ、オーニング、つる性の植物をパーゴラやトレリスに絡ませて日よけとする方法もあります。