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住まい情報

[ 高気密 ・ 高断熱住宅の光と影 ] 2010/09/07

 高気密・高断熱という言葉から受けるイメージ

 もともと高気密・高断熱住宅の考え方は、日本では北海道から始まったものです。北陸地方などにも北海道の高気密・高断熱住宅が導入され、増えていくと必ずしもプラスの面だけでなく、影の面がありそうだということが分かってきました。
  高気密は英語でいうと、エアタイトネスとなり完全に密封されているという意味です。大学の建築学科に入学してきた学生に「高気密」という言葉のイメージを聞いてみたところ、「風通しが悪そう」「息苦しい」というマイナスイメージの答えが多く返ってきました。

 本来の目的

 家というものは弱い人ほど長時間その中にいることになるでしょう。乳幼児や妊産婦、病人、障害者、高齢者で、こういう人たちほど、住環境の影響を受けやすいということを忘れてはなりません。
  そこへ最近はシックハウス症候群などと騒がれ、まさに「住まいが病を招く」といったことになりかねません。健康的な住宅、住んでも病気にならない家、帰宅するとほっとして元気になる、そんな家をつくりたいという人が増えるのも肯けます。住まいの最終的な目的はやはり「身体の健康、心の健康、家族の心の絆を育む場」ということになります。
  ところが、高気密・高断熱住宅というのは、この本来の目的を見失っているような人もいるように思えます。高気密・高断熱というのは、あくまでも住む人に対するひとつの手段としてとらえなければいけないでしょう。ですから選択肢として「私は高気密じゃなくて、中気密ぐらいでいい」「高気密住宅は窓が小さくて好みじゃない」という人たちも出てくるわけです。

 窓が小さいのはなぜ

 高気密・高断熱住宅を一言で表現すると「隙間がなくて、窓の小さな家」ということになります。北海道では冬の外気がマイナス10℃以下の世界ですから、隙間があると室内の熱がものすごく奪われます。それではエネルギーのロスが大きすぎます。それで徹底的に隙間をなくしていくのです。
  普通の認識で隙間をふさいでいくのが気密型住宅だとすると、テーピングや発泡ウレタンなどで壁面の接合部を徹底的にふさいでいくのが高気密住宅ということになります。そうすると熱が逃げるのは開口部だけですから、必然的に窓が小さくなるのです。
  断熱材のグラスウールを入れるとすると、建設省の新省エネ基準では東京より西側ではグラスウール10kgで70mmということになります。しかしこれでは世界的に見るとレベルが低すぎます。住宅金融公庫の新省エネ基準は、どちらかというゆるやかな基準ですから、アメリカからの圧力もあって次世代省エネ基準が誕生することになりました。それでこの新基準ではグラスウールですと16kgで100mm厚となります。しかしこれでも開口部に普通の一重ガラスを使うと1崚たりの壁から逃げる熱の20倍の熱がそこから逃げてしまいます。複層ガラスにしても10倍です。北海道では複層ガラスの内側にコーティングした低放射ガラス(ロウイーガラス)が使われています。ガラスを三層にすると重くなりすぎるので特殊金属をコーティングして輻射熱が逃げないようにしたものですが、それでも6倍の熱が逃げます。こうなると窓を小さくしないと省エネが進まない。これが高気密・高断熱住宅の窓が小さい理由です。

 換気が命

 本州地域の一般住宅の窓面積は、床面積当たり25〜30%といわれています。それに対し冬の外気温の低い北海道の高気密・高断熱住宅は15%〜17%ですから、窓を開けても風通しはよくない。そこで窓を閉めきったまま暖房をかけつづけることになります。人工的な環境に閉じこめられている時間が長いということになります。
  となると、換気が非常に重要になってきます。換気扇に命を預けることになるわけです。北海道の人たちはもし換気扇が綿ぼこりなどで詰まったら危ないということをよく知っています。あるいは結露によって布団がかびるどころか、土台が腐って建物がだめになることがあるということも知っています。いろいろな苦労を重ねながら高気密・高断熱住宅を発達させてきた北海道の人たちとまったく異なる環境にある人たちが同じようなことをすると、どんなことが問題になるのか。それが高気密・高断熱住宅の影の部分です。


 夏をどうするか

 高気密・高断熱住宅は、北海道から東北を経て、南へ普及していきましたが東京の手前でばったり止まり、つぎに北陸へ普及しましたが、やはりそこから南下しませんでした。そこである会社が「寒さに強い住宅は、暑さにも強い」という発想で鹿児島で建てました。窓が小さくて暗いイメージを免れるためにトップライトから光を採り入れるようにしたのですが、夏になるとそこから容赦なく日射が入り、それが発熱源になって、いくら冷房を入れても効かなかったということがありました。
  高気密・高断熱住宅には複層ガラスが使われます。トップライトも複層ガラスを使いました。これが室内に侵入した太陽熱を閉じこめる働きをしてしまった。暖房と冷房のそれぞれの負荷設計の考え方の違いを明確にしないままで最終設計をしてしまっている。さらに最近は石膏ボードがよく使われますが、これにはかなり大きな蓄熱能力があるのです。その結果、トップライトから入った熱が壁に蓄えられてしまい、まさに焼き芋状態になってしまったのです。だから高気密・高断熱住宅は冷房計画を考える時に、日射がどのように室内に入ってくるかも正確に計算しなければなりません。
  こう検討していくと、高気密・高断熱住宅の問題点は、まず夏の暑さを考慮していなかったこと。それから換気性の問題です。とくに夏冬は窓を閉めきって冷暖房設備に頼った生活になるので換気への依存度はきわめて高くなります。

◆エアコンのカビ
  そこで問題になってくるのが、エアコンのカビです。高齢化が進むなか、お年寄りの真菌性内臓炎が増えていて問題視されています。抵抗力の弱いお年寄りの体内にカビが入って病気を引き起こすのです。人工環境に長くいるほど抵抗力のない人はカビに侵されやすくなります。だからエアコンのフィルターなどに微生物が発生しないようにすることも重要な改善ポイントです。

◆熱中症を防ぐ
  いま地球が温暖化していて、いまのまま気温が上昇すると高齢者の死亡率が高くなるだろうという予測が新聞で報じられました。輻射熱を受けると人間は血液の流れで体温を調節します。元気な人は体温調節ができるからよいけれど、高齢者はうまく調節ができないで、熱中症になります。屋根を断熱しても野地板の熱が上がると小屋裏に熱が溜まってなかなか逃げなくなります。小屋裏の温度は、野地板のところを断熱しないと60℃、断熱すれば45℃。かなり違いが出ます。次世代省エネ基準では、開口部の断熱は、複層ガラスだけでなく、遮熱ガラスが推奨されています。複層ガラスの場合は、カーテンで遮熱するように指導しています。このように夏は出来るだけ建物内に熱が入らないように対策することが必要です。

 デメリットを知らせる

 高気密・高断熱住宅は、計画換気によって成り立っていますが、湿気が余計なところへ行く前に全部建物から抜くことが必要です。すると今度は冬になって乾燥しやすくなり、肌が荒れたり、アトピー性皮膚炎や風邪を引き易くなります。
  もともと日本人は生理的にも乾燥しているより、少し湿気がある方を好む傾向があります。乾燥してくると皮膚にかゆみを感じたり、風邪を引きやすくなる。梅雨があるし、雨が多いので、身体も湿気になじんでいるのです。乾燥しすぎる住まいは好まないのです。床暖房なども乾燥しすぎないないように25℃以下の設定で使う必要があります。
  高断熱・高気密住宅では換気システムが欠かせません。そこで造り手や売り手は入居者に換気の指導をはじめ、高断熱・高気密住宅での住まい方を指導する必要があります。24時間連続運転が前提ですが、それを止めてしまったり、機械が故障したときに高齢者がうまく対応できるのかちょっと心配です。造り手(売り手)は、「換気扇がちゃんと作動しているかどうか。必ず毎日チェックしてください。それをしないと万一のことが起こりますよ」と伝えなければいけないし、熱交換フィルターの取り替えを定期的に行うように伝えなければいけません。

 やすらぎのある住まいを求めて

◆やすらぎのある住まいとは
  そもそも高気密・高断熱住宅という言葉は、造り手側の言葉であると考えます。住まい手側が求めているのは、やすらぎのある住まいです。もともと高気密・高断熱は省エネルギーの目標を達成するための手段として生まれてきたものです。ならば、高気密・高断熱でなくてもいい。パッシブソーラーシステム、エアサイクルシステムでよいのです。
  では、「やすらぎのある住まい」とはどんなものでしょうか。一日中部屋に閉じこもったまま仕事をしていると、外へ出て気晴らしをしたくなります。自然の空気を吸いたい。そんな気持ちを満たしてくれる住まいです。では、気晴らしのできる住まいとは、どんなものでしょう。ひとつは窓です。それから内装材や天井の形態。斜め天井の空間をつくる。内装は自然の素材を使う。そして自然の風が家の中を流れる。そんな住まいです。
  このように考えますと、やはり北海道のようにマイナス10℃以下の世界で育ってきた高気密・高断熱住宅と比較的温暖な地域の人々が求める住まいは違うのではないだろうかと思うかもしれません。しかし、高気密・高断熱であっても、北欧などは内部の作り方が上手です。外に対して閉鎖的な分、内部を広々と使おうとする技術が発達しているのです。それは北海道の住宅にもいえることで、学ぶべきことが多くあります。

◆都市向きの閉じた住まい
  さて、暖かな地方での高気密・高断熱住宅というものを考えると、外の環境が劣悪なところでは「閉じた住まい」を造ろうということになります。暑さ、寒さのほかに周辺環境が都市型か否かという点も考慮したい点です。窓を開けると音がうるさいとか、排気ガスや粉塵がどんどん入ってくるとかいった環境では、「閉じた住まい」が有効になってきます。





今日もありがとうの心で 番匠屋 ロハスデザインユニバーサル住宅
長野県飯田市の工務店『中島建築所』は、住宅の無料相談・設計・新築・リフォーム・耐震診断・店舗のデザイン・商店建築を得意とします
長野県飯田市の設計事務所『姫Design工房』は、住宅の和風・数奇屋風・洋風・南欧風・モダン・店舗の建築の関わる設計デザインをします
長野県飯田市・下伊那郡を拠点に建築・設計 阿南町 高森町 松川町 阿智村 売木村 大鹿村 下条村 喬木村 天龍村 豊岡村 根羽村
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